PV-Netは、NEDOの委託事業として、太陽光発電システムのバイパスダイオード(BPD)回路調査を行うことになった。神奈川地域交流会としても調査研究委員を選びこの事業に協力する。

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バイパスダイオード(BPD)回路調査、調査研究員へ事前講習会を行った
神奈川の調査研究委員として、5名を選出してお願いすることになった。

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調査員5名を選出しての勉強会の様子

実際の調査方法について
・システムの接続箱を開けて、BPDのチェッカーで、各ストリングに異常がないかどうかを調べる。
・発電をしていない夜間に行う。(夜間に行う理由は、発電電圧と逆の電圧を掛けて測定するので、正常な測定値が得られないためで、日射量の目安が10W/㎡以下であること、日射量がそれ以上だとエラーを表示る)
調査対象システムの条件
・接続箱が、屋根裏や、危険な高所にある場合はできない。
・CIS、CIGS太陽電池、薄膜系太陽電池モジュールに多く見られるBPDが並列接続構成を含むストリングではは調査できない。
・接続箱がないシステムは、今回の調査はしない。
・調査対象は、PV-Netの会員でカルテが登録されていて、毎月の発電量記録があることとなっている。
(登録されてない場合や登録が滞っている場合も、これからPVカルテを登録し、1ヶ月毎の発電量を登録してもらえば調査対象となる)

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PVアナライザーによるIVチェック 

事前に調査のための講習会を開いて本調査に備える。
神奈川地域交流会では10月24日、15:30~18:00、世話人横谷宅のシステムで講習会を行なった。
その様子は次のようである。

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プラス・マイナスを間違えないように

まず、講師として清水弘幸氏(PV-Net調査研究委員)、宮下洋一郎氏(株式会社エコテック)のお二人を招き、事務局の加藤聡さんをも加えて勉強会を行い、夕暮れを待って調査する予定を組んだ。
しかし、貴重な機会であるので、いろいろテストしてみようということになった。

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明るいうちに、IVチェックを試みた
 
1) アレイ(並べられたパネル群)をブルーシートで覆って発電を止め、夜を待たず昼間調査できないかを実験した。シートを3重にして覆ってみたが、若干発電が検知されるので、結局この作戦は断念した。
2) IV特性の調査、電気の専門家講師がいるので、明るい発電があるうちにIV特性も計ろうと接続箱を開けた。ストリングごとにチェックをした。結果、第1、第2ストリングは、ほぼ正常な曲線が得られたが、第3、第4ストリングは、曲線の後半が波打って表示された。既に陽が傾き、隣の家の影?がかかったためらしい。
一時中断して、下の下り勉強会に切り替えて夕暮れを待った。
3)本番のBPD回路の調査  5時半過ぎ暗くなったので、昼間準備しておいた現場に向かった。各調査研究員がペアで、一人が測定ケーブルを端子に接続して合図すると、もう一人がチェカーの中央ボタンを押し計測。表示された時間と数値を読み上げて記録していく。簡単に計測が済み、BPDは正常だった。

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 端子箱を開けてBPDの存在を確認

このシステムは、3年前に産総研のPVレスキューによって、パネル2枚が不良と診断されていたが、今回の調査でBPD回路の異常はなかったことが分かった。BPDのオープン、短絡が見つかる確率は低いらしい。別途IVのチェックもやるといいのだが、これはまた昼間発電している時でないとできないし、電気技士資格のある人がついてやらねばならないため簡単ではない。今回はBPD調査を優先することになっている。

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暗くなったのでBPDチェックを始めた 

今後、神奈川会員のシステムを2年間で、暫定目標50件を調査する予定である。後日、事務局から調査の趣旨、方法などについて連絡があることになっている。その内容を見て可能な場合はご協力をお願いする。

横谷 記