今年度の見学会は、見学地選定に手間取り、延び延びになっていた。ようやく神奈川県のメガソーラー第1号「愛川太陽光発電所」とその周辺の水力発電所等を見学することに決まり、10月25日に予約を取り、貸し切りバスまで予約をしたのであった。

ところが、その募集をしようとした矢先、県企業局発電課から「あいかわ・つくい次世代エネルギーパーク」見学、無料バスツアーの募集が始まった。われわれの計画とほぼ同じである。そこで、企業局発電課にお願いしたところ、20名枠をわれわれに割いてくれることになった。

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発電所の説明を受ける

それを独自に募集してほしいということで、今までの予約を一つ一つお断りして、県のバスツアーに便乗させてもらうことになったのである。

10月9日(水)、本厚木駅近くの「第一伊藤ビル」横に8時45分集合である。この日、想定外の台風24号が日本海を日本列島沿いに北上。本厚木に着いた途端強風が吹き荒れ、バスのところにたどり着いたが、飛んでくる砂粒が顔にぶつかり痛い、人間まで飛ばされそうで、バスの中に避難?

このツアーに発電課の職員3名が添乗してくださった。

行程は、ます「愛川太陽光発電所」施設見学。次に「宮ケ瀬ダム」放流を見る。隣の「水とエネルギー館で宮ケ瀬ダムについてのレクチャー。昼食休憩の後は、「相模発電所」施設見学。これが主な行程である。

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 向こう側にはメガソーラーが広がる

「愛川太陽光発電所」通称、「あいかわソーラーパーク“さんてらすTOBISHIMA”。到着すると、300KW前後の発電量を示している表示板の前で、専門の説明員が無駄なく熟練の説明をしてくれた。

“さんてらすTOBISHIMA”は、ネーミングを募集したところ、施工をしてくれた飛島建設が手を挙げて、20年間ネーミング代150万円?を払ってくれるということで決まったという話だ。

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クルパネくんの前で説明を聞く

建設費:6億8千5百万円(36.1万円/KW) 最大出力:1,896KW
敷地面積:32,000㎡。(横浜スタジアムの2.5倍、元運動場)。パネル枚数7,902枚(1枚240W)、メーカー:カナディアン・ソーラー,多結晶シリコン、発電効率約15%。設置角10度。
年間見込み発電量:1880,000KWh、一般家庭520所帯の電力をまかなえる計算になる。
売電料金:年間収入約7,900万円。 その他、電気自動車用急速充電器を設置(無料で使用可)。

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ここからは全景が見渡せる

こんな説明を聞いてから、設置されているパネル群の間を回って見た。真ん中あたりに、抜きんでた、太陽追尾型の愛称「クルパネくん」がある。シンボル的存在だが、固定部分4KW,可動部分1KWで、夜間、災害時の非常用電源として使用する。

パネル設置架台の間に生える雑草対策として、黒い防草シートが敷かれ、そのところどころにイワダレ草の仲間という「クラピア」が植えられ、地面を覆っていた。成長が速いので、他の雑草を抑える効果がある。実際に見ると、しっかりおおわれて、雑草が見えないところと、成長が遅れたか、場所によって雑草も混じって見えるところもあった。一株500円ほどするというので、これで敷地を覆うとなれば高額な費用になるが、草取りをするする費用よりいいのであろう。つつじなどが畦畔に植え込まれているが、これらの手入れも大変に思われた。

一番上の段は、全パネルが見渡せる丘になっていて、寄付をしてくれたサポーターの名前を刻んだ碑などがあった。ここには売店などの施設は全くない。駐車場はある。いつでも見学できる。車だと予約が必要という。

この後は「宮ケ瀬ダム」に向かって、放流を見る。バスで移動すると意外に近い。10数分かかったか?

11時から6分間の放流がある。それを見に来る。この日も「俣野小学校」などと書かれた観光バスが2台も止まっていた。秋の遠足を兼ねてか。そのほかにも2、3台観光バスが駐車していた。

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放流を見る小学生たち

ダムの淵付近の高さからエレベーターで約100m以上を1分間で降りる。そこには放流を待つ大勢の小学生がいた。2つの「高位常用洪水吐設備」という口から1秒間に最大100m3を放水する。アナウンスの後、放水開始、迫力がある。飛沫が風にあおられて飛んでくる。

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 水しぶきが飛んでくる

このダムの役割には、道志川の水を導き入れ、下流の相模川の水量を調節する。この水で、愛川第1、愛川第2と2つの水力発電所が運転を行っている。相模ダム、城山ダムと連携して、県内の水資源の有効利用に役立っているのだという。

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 近くの公園を行ったり来たりのトレイン、有料

ダムサイドにある「水とエネルギー館で、宮ケ瀬ダムについてのレクチャーを約30分ぐらい受けた。大変飽きさせない名調子の説明で感心した。子供たちを相手にいつも話しているのであろう。この施設を借りて昼食を済ませた。館内を見学する暇もなく次の相模発電所に向かった。

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 PV-Netの参加者、少しいない人が?

相模発電所は一般の見学者を受け入れていないのだが、今回は県営の発電所を発電課が企画した見学であるから、特別内部の見学をすることができた。

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 やっと急な階段を下りてたどり着いた発電所

相模ダムは重力式コンクリートダムで、昭和22年6月14日完成とある。戦前にできていたのだ。いわゆる「相模湖」(人口湖)である。相模発電所を経由して、下流の沼本ダムから水道用水を安定的に供給している。

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発電機のすぐそばで説明を聞く

相模発電所は、昭和20年2月28日運転を開始。資材不測の戦争末期に作られたので、老朽化が著しく昭和61年度から平成元年度にかけて、主要な発電設備を更新する改造事業を行った。

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配電盤と制御室

ダムサイドから、細い階段を延々と降りて行ってやっと発電所に入った。さらに発電機のすえられている下まで狭い階段やはしごを伝って行くとそこにはオレンジ色をしたおおきな発電機が2基並んでいた。

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2基の発電機が並んでいた

残念ながら、2基とも運転が止まっていて、回転子が回っているところは見ることができなかった。実際に運転していると、騒音で話が聞こえないくらいとのこと。配電盤のある制御室も見学。「この中だと話ができます」と説明員。いつもは無人運転の発電所だそうである。普段は見学者はないためか、説明も時々間違えたりするが、一生懸命説明し、質問にも答えてくださった。

帰りも急な細い階段を登らなければならない。3階建てのような発電所の上から出て、そこから階段をかぞえながらのぼったら、150段ぐらいあった。みな汗だくのようだった。

これで見学箇所は終わり、帰途に。途中の花の公園でトイレ休憩をして、解散予定の橋本駅に向かった、予定より1時間近く早かった。

横 谷 記