昨年は、震災の影響で、目的の見学先の都合が悪いところが多く延期に延期を余儀なくされてきましたが、ようやくこの暑い時期八月にもかかわらず行うことになった。
幸い、前日までの猛暑がこの日一瞬緩んで、心配された熱中症の兆候もなく無事に予定通り済ますことができた。
最初の見学場所は「JFE・ソーラーテクノパーク」である。
10時から約30分程度、ソーラーテクノパークの概要についてビデオ映像を交えて説明を受けた。そのあと外に出て、JFEエンジニアリング製の電気自動車用急速充電器を見学した。一般的な急速充電器「ラピダス」(30分で80%充電)と「スーパーラピダス」(8分で80%充電可能)の二種類を見学。「スーパーラピダス」の方は、まだ一般的な規格がないが、バスなどへの充電に利用されることを見込んでいる。これらの特徴は、蓄電池を備えて蓄電電力を有効利用する仕組みを備えていることである。夜間電力の利用や、停電時の供給も可能になるのだ。
肝心のタワー集光型 太陽光発電(CPV)「ハイパーヘリオス」と太陽熱発電(CSP) は実証試中とのことで、近くをバスの中から見学することしかできなかった。それでも、タワーや反射鏡の並んでいるのを間近に見て、説明や質問に答えてもらい、収穫はあった。「リニアフレネル型」太陽熱発電システムは遠くにありよくはわからなかった。
12時ちょうど見学を終わり、会議室をお借りして昼食を摂った。 湯茶の接待まで受けた。注文した仕出し弁当はなかなかの内容で、インスタントみそ汁付きであった。
2番目の見学場所は「川崎天然ガス発電所」である。この会社は、JX日鉱日石エネルギー(株)が51%、東京ガス(株)が49%出資している。ここでも会社概要の説明を映像も加えて受けた。天然ガスを燃料とするガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた、排熱回収式コンバインドサイクル方式の発電で、大幅な熱変換効率を実現している。最高効率は57.6%という。1号機と2号機合わせて847,400kwの出力がある。
発電電力あたりのCO2の低減、NOX低減対策のための排煙脱硝装置の組み込み、冷却塔の白煙抑制対策など地域社会の環境負荷にも配慮している。見学に入ると、運転中央操作室をガラス越しに見る。24時間監視をしているのだが、人の数は4人ほどしか見えなかった。

天然ガス発電所の内部の発電機部分 内部は非常に暑かった

天然ガス発電所の内部の発電機部分 内部は非常に暑かった
鉄の階段を3階?まで高くのぼり、運転中のガスタービン室、排熱回収の蒸気タービン室等を順次案内してもらった。その巨大な機械に圧倒されてしまう。外は高所から、ぐるりと近隣の工業地帯が見渡せる。
最後の見学場所「かわさきエコ暮らし未来館」には道路の渋滞で予定よりやや遅れて15時近くに着いた。係りが待っていて、16時半に閉館になるので、1時間半で回りましょうと、早速見学に入った。
先ず屋上に上って、川崎市と東京電力の共同事業で、昨年発電を開始した浮島のメガソーラー施設を見下ろして説明を受けた。ここの地盤は川崎市のごみの埋め立て地で川崎市が無償で20年間貸してくれているのだそうだ。埋め立て地だから地盤沈下もある、これを見越してパネル6枚を一組として、それぞれ独立の基礎に設置している。
パネル枚数は38,000枚、発電出力は7,000kw、年間の推定発電量は740万kwh、CO2削減量約3,100tという。近くに扇島にも川崎市と東京電力の共同事業のメガソーラーがある。こちらはパネル枚数64,000枚、発電出力は13,000kw、年間の推定発電量は1,370万kwh、CO2削減量約5,800tとさらに大きいが、ここからは見えないし、見学も受け入れていない。
実際の設置場所の一角に降り立ってみることができた。傾斜角は10度とゆるい、風圧を心配してだそうだ。ところどころにスチール物置様のものがあるが、そこがパワーコンディショナーの施設になっている。そこで昇圧して地下ケーブルで東電の系統に接続しているらしい。草があまり生えないような工夫とか、地盤沈下への対応とか、いろいろな問題を抱えているようだ。
この後、川崎市自慢のごみ処理施設を見学した。最終の処理はベルトコンベアーで流れてくるごみを人の手で分別しているのである。これをみると、いい加減な分別でごみを出してはいけないのだと実感できる。
予定の16時30分きっかりに終わり、バスで帰途についた。 (横谷 記)







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